患者を癒やすコミュニケーション術

患者とのコミュニケーションは、看護師にとって仕事の中心となる。交流を通じ、患者の心を理解して寄り添ってはじめて、癒やすことが可能となる。その際、心がけたいのが患者一人ひとりの話を真摯に聞く姿勢だ。患者が抱える不安や痛み、ニーズを理解しようとする気持ちは、信頼関係の構築に欠かせない。
同時に、やりとりの中では、言葉遣いや表現に注意を払わなければならない。患者が感じている苦痛に配慮し、安心感を与える言葉を選ぶことが大事だ。また、身振りや表情を用いることも、患者の心理状態に影響を及ぼすため、意識するべき部分といえる。

加えて、それぞれの患者に合わせたコミュニケーションを意識することも重要だ。患者ごとに年齢や性格、文化的背景は異なり、価値観も人それぞれだ。こうした一人ひとりの特性を把握し、その人に合った接し方をすることが、より深くつながるためのカギとなる。患者が安心して自分の思いや状態を話せるような環境を作ることは、看護師にとって最も重要な使命の一つであるといえよう。
もちろん、色々な人がいる以上、常時コミュニケーションが上手くいくとは限らない。時には患者から理不尽かつ厳しい言葉を投げかけられることもあるだろう。そんな時、自身の感情をコントロールし、その背後にある不安や苦痛を理解し、尊重する気持ちを持つことが大事だ。このような軸をしっかり持ち、忍耐できれば、最終的には患者と深くつながることが可能となる。これらのポイントを念頭に置きながら日々の看護に臨むことは、患者にとっても看護師自身にとってもプラスとなるだろう。