患者を癒すなら、まずは自分の健康管理から

看護師には、思いやりの心が必要不可欠である。しかし、看護師は身体的にも精神的にも疲労が多い仕事であり、疲労が蓄積されると身体が重く感じたり、心の余裕がなくなりがちである。そのような状態を長らく放置し続けてしまえれば、うつ病などに罹患してしまう。病的症状が出てから休んでも、病気が治るまでに長い時間がかかってしまうケースもある。そのため、疲労が蓄積されるまでに解消しなければならないのだ。
では、疲労にはどのようなものがあるのだろうか。疲労には、生理的疲労と病的疲労があるが、ここでは元気な人の疲労である生理的疲労について解説していこう。

生理的疲労の中でも、末梢性疲労と中枢性疲労がある。末梢性疲労は脳以外の身体、つまり筋肉由来の疲労感をいい、急に運動した時に感じる疲労感である。また、中枢性疲労は脳が主体の疲労感のことで、勉強などをした時に感じる疲労のことだ。看護師は患者の介助などに体を使い、患者の観察などでは頭を使うことから、末梢性疲労と中枢性疲労のどちらの疲労も蓄積しやすい環境にあることがわかる。したがって、これらの疲労を蓄積しにくい身体をつくらなければならないことは明白だ。
まず、日常的に運動をして疲れにくい身体をつくり、栄養バランスのよい食事を取ることが基本である。食事の際、身体を修復するタンパク質を意識して取ることで疲労に強い身体をつくれるだろう。さらに、睡眠をしっかり取り、入浴、マッサージ、アロマセラピーなどを取り入れることで、筋肉をほぐし、精神を安定させることができる。このようにして、疲労をなるべく早く回復することで、心身を健康に保つことができ、常に適切かつ思いやりをもった看護を提供することができるのである。